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2022/03/25

「新感覚について考える」(2022年3月)

「新感覚について考える」

私たちが気づいていない身体の使い方について時々考えることがあります。

なぜなら今までと違う身体の使い方ができれば、それは自分にとっての進化だと考えるからです。

新しい能力を高めたり、目覚めたりすることができれば年齢とともに進化することができます。

甲野善紀という武術家で身体技法研究家の方がいます。身体の使い方を研究されていて、スポーツのパフォーマンス改善や、介護では介護者が身体を壊さずに楽に要介護者を動かす方法などあらゆる場面で身体技法が活かされています。

甲野氏は彼の書籍の中で70歳を過ぎた今が過去最高の動きができるといっていました。

これは筋力や身体能力の話ではなく身体運用能力が改善されたことで起きたことです。 

年齢とともに誰でも筋力や身体能力はピークを迎えその後は下がっていきますが、身体運用能力は意識して改善していければ年齢に関係なくかなり引っ張れそうですね。

私も身体の使い方を改善して生活の質を改善し可能な限り筋力を維持していきたいと考えています。とても希望が湧いてきます。

最近、人間の隠された能力について知るために障害を持つ人についての本を読みました「記憶する身体」伊藤亜紗著

障害も様々ですが、私のような恵まれている人間でも何か参考にすることができればと読み進めました。

私は小学校からの野球肘で曲げ伸ばしに制限がかかり左右のアンバランスによって絶えず関節に不具合が起きていました。

しかし35年のトレーニングの間に自然と身体が調整し身体感覚もよくなったおかげで身体づくりや筋力増強に成果を上げてきました。

本の中で、事故などで腕や足を失ってしまった人たちが精神的苦難を乗り越え、不自由な部分をかばいながら痛みや困難をやり過ごす「対症療法」から不自由を受け入れ積極的に鍛え、全身のバランスを組み替える「原因治療」に切り替えた人の話は私にとってもそういうことだったのかと。

通常であれば慢性的な痛みや不具合がある部位をかばい生活するのを、痛みや不具合に合わせた身体の使い方をマスターしていく、何が違うのかというと総合的にバランスを整えることで痛みを最小限に抑えながらもっと部位を使うのです。痛みをかばって使わないようにするのではなくもっと使う。

そうすれば生活活動レベルを上げることができるでしょう。

障害を持つことで生まれる、造り上げられる可能性というのは、健常な身体を持つ人が行うアプローチや、身体の使い方、順序や意識の持ち方など様々なところで異なったものがあります。しかし人間の能力のすごさを感じずにはいられないのと同時に夢や希望につながっていきます。

ゴールボールやサッカー、幅跳びなど目が見えないパラリンピックのアスリートたちは高度な練習により周囲の音で位置情報を把握したり、音によってボールの進路やバウンドの高さ、シューズや衣擦れで仲間や敵の位置を把握しています。「目の見えないアスリートの身体論」伊藤亜紗著

このような本を読んでいると人間にはまだまだ未開拓な部分や感覚が山ほどあるような気がしてチャレンジすればするほど進化していくという希望に満ちてきます。

自分の身体は唯一自分に与えられた誰とも違うものですから自分自身で可能性を追求していくしかないですね。

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